今回のテーマは“深煎りと浅煎りの淹れ方の違い”について。
今では大定番であるハリオV60ドリッパーですが、皆さんはどのようにお使いでしょうか?深煎りは基本通りにすれば淹れられるけれど、浅煎りを試すとどうもうまく淹れられない…という方もきっと多いかも知れません。
そこで今回は、ハリオV60を使用した深煎りと浅煎りの淹れ方の違いを、実際の淹れ方を踏まえて見ていきたいと思います。
お悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね!
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ハリオV60での浅煎りと深煎りの淹れ方の違い
深煎りの美味しい淹れ方
まずは基本的な深煎りの淹れ方から。順を追って見ていきましょう。
1.蒸らし
全体に満遍なくお湯をかけ約30秒間蒸らします。なるべくこの段階ではあまり下に落ちない程度の量をかけてください。この状態でドバドバと落ちてしまうと、出来上がりが少しあっさりとした味になってしまう傾向があります。
2.二次的な蒸らし
私が深煎りを淹れる時によくやるのがこの二次的な蒸らし。まず30秒間蒸らした後に、約1分になるまで5秒間に1回ほど、ごく少量ずつお湯を注いであげます。
これは何故するのかというと、特に焙煎したての深煎り豆は、豆の中に大量の炭酸ガスを含んでいます。最初の30秒の蒸らしだけでは十分にガスが抜けておらず、お湯がしっかりと豆の間を通らないんですね。
この二段階の蒸らしでガスをしっかり抜いてあげることによって、本格的な注湯時に効率よくコーヒーエキスを抽出する事ができます。また、この時に粉の中心に向けて円状に注いであげる事によって綺麗な抽出層を作りやすくなります。
この蒸らし時間をたっぷりと摂ることによって、出来上がりもしっかりとコクのある濃いコーヒーになります。
3.本格的な注湯
そして約1分頃から本格的な注湯です。よく言われる「の」の字を書くように注ぐ行程ですね。少しずつ円を大きくしていくように注いでいきます。
大体ですが、ドリッパーの中心から外側に向かって5~6回くらい円を描きながら7.8回目は真ん中に戻ってくるというイメージです。
この時の注意点は円を大きくし過ぎてドリッパーの淵に注がないこと。ドリッパーの淵に注ぐとお湯がそこからコーヒー豆を通らずに落ちてしまうので、薄いコーヒーが出来上がってしまいます。
真ん中から外に少しずつ広げていくことで、ドリッパーの淵にコーヒーの粉で壁を作るイメージといえば分かりやすいでしょうか。
そして、この工程を約1分半〜2分程度行い、目的量まで達したらドリッパーを外して終了です。深煎りの場合は2分半〜3分くらい掛けて淹れてあげると甘みと苦味を楽しめるかと思います。
浅煎りの美味しい淹れ方
続いて浅煎りの淹れ方です。ここは私のよくやる注湯量と時間配分も具体的に書いていきたいと思います。
1.蒸らし
こちらもまずは30秒の蒸らしから。
最初に30mlお湯をかけます。満遍なく全体に浸かるようにお湯を注ぎましょう。深煎りの場合はかけ過ぎないように注意と書きましたが、こちらはあまり気にせずドバっとかけましょう。
2.注湯
続いて注湯です。30mlから一気に90mlくらいまで注ぎ、落ちるのを待ちます。
浅煎りの美味しい酸味はこの工程で抽出されると考えても良いでしょう。ですので、始めに多めにお湯を入れて前半のうちに美味しい部分を抽出してあげます。
ちなみに、コーヒードリッパーの淵にお湯をかけても問題ないので、豆全体がお湯に浸かるようにかけるよう心がけてください。
3.注湯を繰り返す
次に1分になったら50ml注ぎ、約1分25秒あたりまで落ちるのを待ちます。
そして30mlを入れて1分50秒まで待ち、最後にまた30mlを入れて大体2分30秒になるとほぼ落ちきるので、ドリッパーを外して終了です。
これで合計200ml注湯し、160~170mlくらいの出来上がりになります。
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二つの淹れ方で大きな違いは透過法か浸漬法?
ざっと深煎りと浅煎りの淹れ方をご紹介してきましたが、この二つの淹れ方の違いに気付きましたでしょうか?
言い方が合っているかは分かりませんが、私の考えではこの二つの淹れ方の違いはコーヒーの抽出方法が“透過法”か“浸漬法”か、だと思っています。
「ハリオV60といえば透過式じゃないの?」と思う方もいらっしゃると思うので簡単に説明すると、深煎りはドリッパーの淵にお湯をかけてはいけないと言いましたが、浅煎りはかけても良いと言いました。
というのも深煎りは水に対しての比重が軽く、お湯を注ぐとプクーと膨らんで上に上がってきます。ということはお湯がそのまま下に抜けますよね。なのでこちらは「透過法」。
逆に浅煎りは比重が重いため、最初は膨らむものの、中盤あたりから後半にかけてコーヒー豆がドリッパー底部に沈んでしまいます。それによってお湯をかけてもドリッパー内にお湯が溜まるんですね。
お湯が溜まるということはコーヒー豆がお湯に浸かるということ。つまり言い方を変えると「浸漬法」になるんです。
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コーヒー豆もドリッパーの一部と考える
これは私もある方からチラッと聞いて、なるほどと思ったのですが、『コーヒー豆をドリッパーの一部と考えると良い』ということ。
深煎りの場合は中心から徐々に「の」の字を描くように広げていくイメージで注ぐと書きましたが、そうすることによってコーヒーの粉がドリッパーの淵に壁を作ってくれるんですね。
淵に壁ができるということはお湯は必ずコーヒー豆を通る事になるので、しっかりと濃いコーヒーを抽出できます。
逆に浅煎りの場合はドリッパーの淵にかけても良いと書きましたが、コーヒー豆がドリッパー内で沈んでお湯が溜まるという特性を活かした淹れ方です。
その為、ドリッパーの淵に付いている粉もしっかりとお湯に漬けて成分を引き出してあげようという考え方になります。
深煎り豆は淵に壁を作る役割、浅煎り豆は底面でお湯を溜める役割と考えると、なるほど~と思いませんか?
深煎りと浅煎りの淹れ方の違いまとめ
いかがでしたでしょうか?簡単にまとめておきますと、
・コーヒー豆をドリッパーの一部と考えると良い
・深煎りは粉でドリッパーの淵に壁を作る
・浅煎りはドリッパー内部に溜める役割
こういった感じでしたね。あくまでこれは私なりの解釈ではありますが、実際この淹れ方で淹れると、深煎りならしっかりとコクのあるコーヒーに、浅煎りならフレーバーの立ったスッキリしたフルーティな味わいが楽しめます。
ハリオv60をお使いの方はぜひこの淹れ方を参考にしてみてくださいね!それでは!
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